町、森林組合、林業事業体等で構成される池田町森林整備計画実行管理推進チーム(以下、チーム)では、伐採跡地への再造林を推進する事を目的として、コンテナ苗の秋植栽定着試験を実施することとなりました。
2016年11月2日、緑化木圃場においてコンテナ苗植栽体験を兼ねて、チームの構成員によってコンテナ苗の秋植栽を実施しました。
試験概要
苗間および列間を2.2メートルとして、カラマツ・トドマツ・アカエゾマツの3樹種を各50本植栽しました。土壌凍結と苗木の定着との間の関係性を明らかにするため、区画の一部は冬季に除雪を実施します。今後、定期的に植栽木の定着および成長状況を把握し、池田町での秋植栽の可能性を検証します。
植栽作業の状況
除雪区と対照区の様子(平成29年3月31日 撮影)
植栽以降、積雪があれば随時除雪作業を行い、約5か月が経過しました。除雪を実施しなかった対照区における苗木の様子も観察できるようになったため、各区域の様子を公開いたします。(写真をクリックすると拡大画像を見ることができます)
4月3日に苗木の調査(苗長、根元直径、被害有無)を行い、除雪による影響を評価しました。
除雪影響調査結果(210.20 KB)
カラマツ除雪区…半数程度がシカによる食害を受けている
(60.58 KB)(66.84 KB)
カラマツ対照区
(57.92 KB)(41.37 KB)
トドマツ除雪区…全ての個体において葉が変色
(75.15 KB)(81.69 KB)
トドマツ対照区
(47.74 KB)(35.74 KB)
アカエゾマツ除雪区…全ての個体において葉が変色
(80.88 KB)(83.32 KB)
アカエゾマツ対照区
(56.29 KB)(36.33 KB)
植栽2年目の調査結果
平成29年11月8日に根元径、苗長、被害有無について全木調査を実施しました。詳しくは調査結果(117.65 KB)をご覧ください。
植栽3年目の調査結果
平成30年11月13日に根元径、苗長、被害有無について全木調査を実施しました。詳しくは調査結果(125.34 KB)をご覧ください。
カラマツ | |
トドマツ | |
アカエゾマツ |
植栽4年目の調査結果
令和元年10月24日に根元径、苗長、被害有無について全木調査を実施しました。詳しくは調査結果(215.52 KB)をご覧ください。
カラマツ | |
トドマツ | |
アカエゾマツ |
植栽5年目の結果
令和2年11月11日に根元径、苗長、被害有無について全木調査を実施しました。詳しくは調査結果(132.91 KB)をご覧ください。
カラマツ | (146.38 KB) |
トドマツ | (170.53 KB) |
アカエゾマツ | (187.10 KB) |
まとめ
当町では平均積雪深が比較的少なく、土壌凍結が発生しやすい事から、秋植栽は長年実施されてきませんでした。そこで、植栽適期が長期間であるとされるコンテナ苗を用いた秋植栽の定着試験を行い、当町における秋植栽の可能性を検討してまいりました。結果として、積雪量が一定程度確保される場所を選べば、秋植栽可能であるとの結論に至りました。また、本試験開始以降、十勝広域森林組合が管理する森林の一部において、積雪量が多い北斜面などで裸苗の秋植栽が行われており、活着状況は良好であるとの事です。
当町では、苗木や労働力の確保や植栽適期の短さから皆伐面積と比較して、再造林面積が小さく、伐採跡地が増加する傾向が続いておりました。今回の試験結果を関係各所に普及して、植栽場所を精査した上で秋植栽を実施する事で、少しでも伐採跡地を減少させられるよう努めてまいります。