製材用原木の流通体制構築
平成30年年11月26日に炭やき伝承広場において、池田町林業グループ主催による原木販売会を実施いたしました。出品数量は5.2750立方メートルで、販売数量は4.1925立方メートルとなりました。出品数量が少量であった事や、樹種がカシワ、タモ類、シラカンバのみであった事から、購入者が少ない結果となりました。今回の課題を踏まえつつ、広葉樹原木販売体制の構築に向けて、取組を進めてまいります。
令和2年2月6日に町と池田町林業グループの共催により、池田町炭やき伝承広場にて2回目の原木販売会を実施いたしました。今回はせり売り形式とし、丸太1本ごとに購入希望者を募りました。町有林において小規模林業により伐採・搬出した丸太もあった事から、伐採に参加された皆さんにも来場していただき、丸太購入者と意見交換していただきました。需要者と供給者が意見交換を行う事で、適正価格での丸太販売に繋がればと考えております。
令和3年6月8日に町と池田町林業グループの共催で販売会を実施いたしました。丸太を活用できない方々に向けて、チェンソーで簡易製材を行った板材も販売しました。板材の販売もおおむね好調で、様々な方に木材を購入していただける機会を創出する事が出来ました。
未利用材活用方法の開発
広葉樹の主な活用方法として、以下の2つを想定しています。(1)製材用(長さ2.4メートル以上、直径20センチメートル以上)
(2)製炭用(ミズナラ・イタヤカエデ、長さ1.8メートル以上)
しかしながら、天然林の管理を進めていく上で、上記(1)および(2)の規格に満たない原木が出材されます。製紙用チップなどで販売する事も可能ですが、現在取り組んでいる小規模林業においては、既存の流通体制では採算が合わない可能性が高くなる事が考えられます。そこで、池田町林業グループと協働し、規格外の広葉樹活用方法を検討しています。
樹皮細工・木工
小規模林業の取組では、取扱量が少量であり、かつ、樹種が多種であることから、同一規格の丸太を大量に出荷する事が困難です。森林所有者が利益を得るためには、少量の出荷であったとしても、高価格で丸太を販売する必要があります。そこで、当町では町内外を問わず、少量の丸太でも販売可能であり、高い付加価値を持つ商品を開発している事業者と連携し、事業者の需要に応じてきめ細やかに対応し、丸太等の販売につながる仕組みの構築に向けて、取り組みを進めてまいります。 この取り組みを通じて、令和2年度よりシラカンバについて事業者への直接販売を開始しました。そして、令和2年8月にはシラカンバは当町産材のみを活用したクラフトブランド「ホワイトバーチ×イケダ」が立ち上がり、ワイン城にて販売されております。
楽器
2018年7月29日に帯広大谷短期大学の長﨑結美専任講師が主宰する「木育×音楽プロジェクト」が主催し、十勝まきばの家で開催された「子どもの森の音楽会」内のワークショップにおいて、高野夕輝氏(木工家)がデザインしたウッドブロックを参加した児童が制作しました。また、2019年1月14日に音更町で開催された「0歳からのコンサート 音のおもちゃばこ」にて参加者に無料配布しました。 協働している池田町林業グループではウッドブロックの他に、バードコールやマラカスなど児童が手軽に楽しむ事が出来る楽器制作キットの開発を進めています。
児童用玩具
帯広大谷短期大学の馬場拓也専任講師と造形ゼミに所属する学生の協力を得て、池田町林業グループが主体となって児童用玩具の開発に取り組んでおります。2019年2月4日には商品案の説明会が行われ、参加者と活発な意見交換が行われました。 商品案の一つを帯広大谷短期大学の協力のもと試作し、2019年12月24日に町内の保育園で試験的に利用していただきました。児童たちは興味深そうに眺めたり、思い思いにブロックを組み合わせたりと楽しそうに遊んでいる様子が伺えました。生産及び販売体制の構築や製品化までに必要な費用に対する財源の確保など、様々な課題がありますが、商品化に向けて検討を続けてまいります。
また、すくすく十勝応援プロジェクト(代表:馬場拓也 札幌大谷大学短期大学部専任講師)の取組に賛同し、森の輪「wakko(わっこ)」の配布を2019年8月より開始いたしました。
森の輪「wakko」についてはこちらをご覧ください。⇒ https://www.morinowakko.com/