年度当初の所感
~ 本町教育の将来像(いけだモデル)の構築に向けて ~
3月15日、池田中学校の3年生32人が義務教育9年間を修了し、それぞれの新たなステージに向けて学び舎を巣立っていきました。
これから、自らの夢や目標の実現に向けて、困難を乗り越え、たくましく成長していくことを願っています。
また、小学校の課程を修了した43人の皆さんは、6年間で培ってきたことを土台として学びを深め、さらに成長する中学校3年間になるよう、学習や学校等での活動に全力で取り組んでください。
令和6年度の学校教育活動が始まります。
今年度は、小学校1校、中学校1校という教育環境を活かし、令和7年度からの小中一貫教育の導入に向けて、すべての教職員が参加する検討部会において実践的な検討を進め、今年度中に実施可能な活動は前倒しで取り組むこととしています。
小学校6年間、中学校3年間という現行の義務教育制度が実施されてから80年近くが経過しています。この間、社会環境の変化や子どもたちの心身の成長の早期化などを考えると、これまでの6-3制ではなく義務教育9年間を見通した学校教育活動が必要です。
今日、子どもたちを取り巻く課題が複雑化・多様化する中、小学校では、中学校卒業時15歳の姿を思い描き指導に当たること、中学校では、小学校入学時からの成長過程を感じ取り、義務教育終了時の目指す子ども像の実現に向けて指導に当たることが、とても大切であると考えています。
こうした考えの下で、まず、小中一貫教育を導入・推進し、令和10年度を目途に小中一貫教育をより効果的に推進するため、義務教育学校の設置を目指していきます。
本来は施設一体型の義務教育学校が望ましいところですが、小学校と中学校の枠組みにとらわれず、一つの教職員組織を整えていくことを大前提として、本町の現状を踏まえつつ、施設分離型の義務教育学校を設置したいと考えています。
3月4日の町議会第1回定例会議において、今年度の教育行政執行方針を表明しました。その一部をお知らせします。
令和5年度、本町の子どもたちはスポーツや文化芸術活動で全道・全国大会に出場するなど、目覚ましい活躍を見せてくれました。子どもたちが元気に生き生きと学校生活を送る姿は、地域に喜びと活力を与え、未来への明るい兆しとなります。 一方で、子どもたちを取り巻く課題は複雑化・多様化し、教育現場だけで解決することが難しい現状にあり、学校関係者や教育行政に携わる者のみならず、地域の方々すべてが子どもたちの成長に関わり、それぞれの立場で役割を果たしながら支え育んでいく必要があります。 教育委員会として、子どもたちが成長していく過程に責任と使命を持ち、「教育活動のすべては子どもたちのためにある」との思いの下、義務教育終了時15歳の目指す子ども像を保護者の皆様や地域の方々と共有し、令和7年度から導入する小中一貫教育の進捗状況を見極めながら、令和10年度以降の池田町教育の新たな将来像となる小学校の学年の一部を中学校に移行する「義務教育学校(施設分離型)設置ビジョン~いけだモデル~」の策定に向けた具体的な協議を進めます。 |
小中一貫教育の導入や義務教育学校の設置のほか、学校部活動の地域移行、学力の向上、生徒指導など様々な課題がありますが、教育行政執行方針で表明した思いを持って、令和6年度も全力で一つ一つ着実に取組を進めます。
今後は、「義務教育学校(施設分離型)設置ビジョン~いけだモデル~」の素案を策定する段階で、保護者の皆様等への説明やご意見などをお聞きしたいと考えています。
そして、持続可能な地域社会を創造する人材の育成に向けた本町教育の将来像を示すとともに、本町から施設分離型義務教育学校という新たな教育モデルを発信してまいります。
保護者の皆様、地域の方々のご理解とご協力をお願い申し上げます。
池田町教育委員会
教育長 加賀 学