二学期が始まり、学校に子どもたちの元気な声が戻ってきました。
夏休み期間中、子どもたちは生活リズムを乱すことなく毎日を過ごしていたでしょうか。二学期は、文化祭・学習発表会など様々な学校行事が予定されていますが、普段の学習はもとより、集団で活動する子どもたちの姿を見ることを楽しみにしています。
夏休み期間中、小学校5年生と6年生合わせて29人は、沖縄県読谷村での道外派遣研修に参加しました。8月22日に行われた研修報告では、本町とは異なった気候風土や食文化、沖縄県の戦争の歴史を通した平和の尊さなどについて発表が行われました。日本の中でも他の地域と違った歴史や生活環境を持つ沖縄県での研修(体験)を通じて、心の成長とともに、他の人と協力することや目的を持って学習することの大切さを実感してくれたと思っています。
さて、教育委員会では、平成18年に児童生徒の減少による教育課題を解決するため、「池田町義務教育に関わる環境整備の指針」を策定し、その中で、学校の適正規模として、クラス替えができる学級編制が望ましいとしています。
当時の小学校では、児童数を合計すればクラス替えのできるような人数でしたが、現在はその頃と比べ、児童数は50%近く減少し、小学校3校合わせても、各学年クラス替えできるような人数には達しない状況となっています。
子どもたちが社会人となる未来では、人工知能の進化などにより社会の仕組みは大きく変わり、子どもたちの65%は現在存在していない職業に就くという指摘があります。
こうした急速に変化していく社会で求められるのは、自ら進んで学び知識を深めて個性、能力を伸ばすことや、他の人を理解し自分の考えを広げながら集団としての考えを発展させ、多様な人々と協働していく力です。
子どもたちが、こうした社会で活きる力を身に付けるためには、小規模な学級(集団)では難しいと言われています。最も望ましいのは、一定規模の学級(30人~35人)が確保でき、かつ、クラス替えできることですが、本町の現状を踏まえれば、クラス替えはできないまでも、自分とは違った個性を持った児童との触れ合いを通じて他の人への理解を深め、その中で自分の考えを主張することができ、切磋琢磨しながら個性や可能性を伸ばしていく環境(学級規模)を整えていくことが必要だと考えています。
今後も児童数の減少が続くと予想される中で、地域を担う子どもたちに対して、学校・家庭・地域・行政が責任を持って、将来において必要となる力を育むための方策を真剣に考える時期を迎えていると実感しています。
教育長 加賀 学