新しい学校生活が始まって一ケ月が経ち、5月から「令和」の時代がスタートしました。
職場に出勤する際、ランドセルに黄色の交通安全カバーを付けた小学校一年生が登校する姿を目にします。新たな時代の中で、これからの小学校、中学校の9年間を元気に過ごし、先生や友達に会うことが楽しいと思えるような学校生活を送ることを願っています。
さて、学校では、「特別の教科 道徳」について小学校では昨年度から、中学校では今年度から実施されています。このことに伴い、十勝教育局では子どもたちの道徳性の育成に向けて、十勝の先人や偉人の逸話を基に、生命の尊厳、自然、伝統と文化、スポーツなどを題材に取り上げ、子どもたちが課題意識を持って物事を多面的・多角的に考えたり、感動を覚えたりするような「道徳地域教材 十勝野」を作成しました。
その中で中学校用の「郷土を愛する態度」を育むための教材として、「ワイン町長」の愛称で親しまれた丸谷 金保 元池田町長が紹介されています。
町の財政的な危機を乗り越えるために行ったブドウ栽培、しかし、冷害によるブドウの木の全滅、ブドウ栽培から発想を広げたワインやブランデー造りなどの逸話が載っています。詳細な内容については、十勝教育局のホームページに掲載されていますので、ご覧ください。
子どもたちには、こうした「ふるさと池田」の先人の取組を教材として活用しながら、郷土への愛着と誇りを身に付けるとともに、目標の実現に向けて困難に果敢に挑戦することの大切さを知ってほしいと思います。
最近、よく聞く「子どもは家庭で育ち、学校で学び、地域で伸びる」という言葉があります。出典は定か(調べていないのですが)ではありませんが、本来、それぞれの立場で持っている教育力と、その力の協働を表すような言葉として、個人的に気に入っています。
家庭では基本的な生活習慣や規範意識等を身に付け、学校では将来自立して生きていくために必要な知識・技能を学び、そして、地域の方々が支える体験活動・地域活動等を通して、日常生活で活きる知恵や協働の気持ちを育み成長していく。
このように家庭・学校・地域が一体となって子どもたちの成長にかかわっていくことが、子どもたちのふるさとへの愛着と誇りの醸成につながり、将来の地域を支える力になると思っています。
「令和」の時代を迎え、郷土愛を糧として尽力した先人たちの思いや意志を受け継ぎ、これからの「ふるさと池田」を支える力を育む取組を一層推進したいと考えています。
教育長 加賀 学